超モノづくり部品大賞
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モノづくり日本会議
 企業規模・業種の壁越え“超”モノづくりに挑戦
- 日本のモノづくりに貢献する - 日刊工業新聞社 Business Line

自動車部品賞

接着剤で鋼板同士を固着接着したモータコア 黒田精工

接着剤で鋼板同士を固着接着したモータコア
製品概要
渦電流抑え効率改善
開発したモーターコアは、接着剤で鋼板同士を固着、積層することで成形しているのが特徴です。鋼板同士が接着剤で絶縁されているため、鋼板同士で発生する渦電流が抑えられ、モーターのエネルギー効率を大幅に改善できます。
モーターコアは通常、コアの形状に打ち抜いた鋼板を積層して成形しています。従来、積層には溶接やカシメ方式で固着する方法がありましたが、どちらも電気導通してしまうため、電気エネルギーの損失が発生していました。またカシメ方式の場合、金型の設計・製作が必要で、コストと手間がかかっていました。同社によるとカシメ方式と比べて、5‐10%製造コストを低減できるといいます。大手電機、自動車メーカーなどで採用され、さらなる拡販を目指しています。

機電一体コラムタイプ 電動パワーステアリング 日本精工

機電一体コラムタイプ 電動パワーステアリング
製品概要
シャフト長25%短縮
電動パワーステアリングはモーターを使って自動車などの操舵力を補助するシステムです。「機電一体コラムタイプ電動パワーステアリング」は、別々だったギアボックスと電子制御装置(ECU)ヒートシンクとを共有化し、トルクセンサー回路をECU制御基板に内蔵したのが特徴です。これによりコンパクトな設計が可能となりました。シャフト長300と、一般的なシャフト長に比べ25%短い、世界最短のシャフト長を実現しました。
搭載要件が厳しい小型車などでも搭載できます。また従来比で12%軽量化、エネルギー効率も6%向上したことで、燃費低減も図れます。トヨタ自動車の超小型車「iQ」に採用され、今後、需要拡大が見込まれる小型車向け戦略商品として、国内外で拡販する方針です。

車両空力性能及び歩行者保護性能向上を図ったエンジンアンダーカバー 
小島プレス工業(愛知県豊田市)

車両空力性能及び歩行者保護性能向上を図ったエンジンアンダーカバー
製品概要
風の流れで燃費改善
自動車のエンジン下にエンジン保護対策で設定されているエンジンアンダーカバーです。自動車の下面の風の流れを改善し、空気抵抗を低減することで大幅に燃費性能を向上しました。同時に車両構造を利用して剛性を上げ、歩行者保護性能の向上も実現しました。
車両の空気抵抗改善によって、走行時の軽量化効果は90キログラム相当となり、CO2排出量を年間1200キログラム削減できます。また、構成部品を一体化し、製品自体の重量を3130グラムから半分以下の1400グラムに削減したうえ、製造コストの4割低減を実現しました。さらに、歩行者保護範囲を広げたことで、車両デザインの自由度も広がっています。
トヨタ自動車の超小型車「iQ」に採用されており、今後も適用車種拡大に向け、順次提案を進めていく方針です。

講 評

自動車分野―次世代開拓に積極的

芝浦工業大学名誉学長 小口泰平氏芝浦工業大学名誉学長 小口泰平氏
技術は時代を開き、時の流れは技術をはぐくみます。自動車技術は、次世代に向けた環境・エネルギーのパラダイムシフトを積極的に受けとめ、その開拓にむけたさまざまな動きがみられます。キー・イシューズには、先進のテクノロジー技術力、コストパフォーマンス価格力、リライアンス信頼力、オンネット情報力、カスタマイズ消費者力、そしてソーシャルミッション社会力などが目立ちます。
これらは、魅力あるモノづくりの礎であり、それを一つひとつ具体化し実現するのは、「モノづくり部品力」によるといるでしょう。

モノづくり推進会議共同議長賞に輝いたTDKの「車載用DC‐DCコンバータ GEN4.5シリーズ」は、環境対応の先達であるハイブリッド車や電気自動車のモジュール部品として、変わる自動車技術の主要サブシステムとして注目されます。磁気素材メーカーがそのプロフェッショナルとしての技術力を駆使して、小型軽量化・高効率化・低コスト化などを実現しています。産業のビジネス効果を越えて、エコ社会構築の道を開くものとして評価されるでしょう。

自動車部品賞は3件です。黒田精工の「接着剤で鋼板同士を固着接着したモータコア」は、自動車の電動モータ技術への期待を備え、構造・機能・経済性の優位性を確かなものとしています。 日本精工の「機電一体コラムタイプ電動パワーステアリング」は、モーターとECUなどを一体化し、コラムシャフトの短縮を実現しました。かつ衝突エネルギー吸収機構やチルト機構を有し、限られた空間への集中設計に大きく寄与しています。
小島プレス工業の「車両空力性能及び歩行者保護性能向上を図ったエンジンアンダーカバー」は車体の空気抵抗低減による燃費向上技術をエンジンアンダーカバーに適用し、燃費改善と二酸化炭素削減を実現しました。同時に車体の歩行者保護機能を向上しており、時代の要請にこたえるダブル効果の技は高く評価されます。

今年の応募を振り返ると、部品づくりのソフトウエア、部品のユーズウエアなど、従来みられなかった応募もあり、技術の広がりを印象づけました。また、年初来の困難な経済状況と車技術の遷移動向による活力の一時帰休が応募に反映していたようです。再度のさらなる発展と新たな領域の台頭を期待したいと思います。

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