ネイチャー・テクノロジー研究会, 最新活動報告

ネイチャー・テクノロジー研究会 未来の暮らし創造塾in口内 2015年12月21日

 モノづくり日本会議ネイチャー・テクノロジー研究会が協力する北上ライフスタイルデザインプロジェクトは2015年12月21日、岩手県北上市の口内(くちない)地区交流センターで勉強会「未来の暮らし創造塾in口内」を開催した。同地区住民ら15人が参加し、同プロジェクトを指導する古川柳蔵東北大学大学院准教授がライフスタイルデザインの手法などを説明した。


ライフスタイルデザイン手法など学ぶ

 北上市は14年に北上ライフスタイルデザインプロジェクトをスタートし、人口減少やエネルギー問題などの環境制約が強まっても持続可能なまちづくりを検討してきた。具体的なライフスタイル創出の実証実験の場に同地区を予定していることから、住民を招いて勉強会を開催した。
 古川准教授は将来の視点から現在の問題点を見つけ、解決し、心豊かな暮らしを描くためのバックキャスティング手法や、環境負荷が現在より小さかった戦前の暮らし方に学ぶ調査「90歳ヒアリング」について説明した。また、口内地域で盛んだった傘づくりを例に挙げ「プロジェクトを通じて北上らしさについて考え、思い至った一つが口内傘。地区で産出する材料だけでつくられ、東北地方で市場を広げていった。かつて存在し、心豊かな暮らしに結びついていたものの中に未来の暮らし方のヒントがある」と評価した。
 続いて古川准教授が宮城県内で実施した90歳ヒアリングを撮影したドキュメンタリー映画を上映。会場からは「少し不便なくらいが人間にとってよいかもしれない。ただ、まったく昔の通りにするのではなく、便利さも取り入れながら自然に優しい暮らしをしなければならない」との声が上がり、ライフスタイルデザインへの関心の高まりを伺わせた。
 古川准教授は科学技術振興機構の社会技術研究開発センター(JST―RISTEX)で取り組む研究開発領域「持続可能な多世代共創社会のデザイン」の研究開発課題に採択された「未来の暮らし方を育む泉の創造」プロジェクトの代表者を務める。
 研究開発課題の目標はライフスタイルを変えることによる環境負荷低減と心豊かな暮らし方の実現。モデル地区として、北上市のほか、兵庫県豊岡市、沖永良部島、三重県の伊勢志摩地域の4地域で、地域らしさを追求したライフスタイルを描き、実装のステップを検討する。

 プロジェクト期間は15年10月から18年9月までの3年間。ネイチャー・テクノロジー研究会も産業界の立場から協力メンバーとして参画し、手法研究や社会実装などをサポートしている。