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9月11日(火) 第21回新産業技術促進検討会

テーマ

木質バイオマスからプラスチック原料を作る
~ 製紙/化学の業界横断連携による石油に依存しない化学品製造技術開発の進展 ~

趣旨・概要

日本の石油消費量の約23%を化学品製造用途が占め、日本の二酸化炭素排出量の約4%を化学産業が占めています。化学品の製造は、石油からの原料転換、二酸化炭素排出量削減に関して大変重要かつ影響が大きい分野です。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では石油非依存の化学品製造技術の開発に2013年度より取り組んでいます。(「木質バイオマスから各種化学品原料の一貫製造プロセスの開発(2013~2019年度)」)

本シンポジウムでは、バイオマスのリファイナリー技術の世界の動きに関する基調講演に続き、NEDOプロジェクトの「一貫プロセス」という総合的な技術開発コンセプトの全体像、参画企業における木質バイオマスの成分分離と化学品製造技術開発の成果、木質バイオマスの主要成分の一つであるリグニンの特性評価について報告します。

皆様のご参加をお待ちしています。

詳細
開催日
2018年9月11日(火)13:00~17:10
スケジュール、プログラム
13:00~13:10

■開会挨拶
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
材料・ナノテクノロジー部 部長 吉木 政行 氏

■来賓挨拶
経済産業省 
製造産業局 素材産業課 革新素材室 室長 沼舘 建 氏

13:10~13:55

■基調講演:バイオエコノミー実現のためのバイオマスのリファイナリー技術:化石資源脱却のためのリアルな物質変換の重要性
東京大学大学院 農学生命科学研究科 准教授 / 
VTTフィンランド技術研究センター 客員教授 五十嵐 圭日子 氏

13:55~14:05 ■NEDO「木質バイオマスから各種化学品原料の一貫製造プロセスの開発」プロジェクトについて
NEDO材料・ナノテクノロジー部 主査 PM 浜田 耕太郎 氏
14:05~14:35 ■製紙/化学連携による木質バイオマスからの化学品一貫製造技術の開発概要
NEDO プロジェクトリーダー / 
京都大学 教授 前 一廣 氏
14:35~14:45 休憩
14:45~15:00 ■化学品製造に向けた木質バイオマスの成分分離技術の開発
日本製紙株式会社 
基盤技術研究所 主席研究員 宮脇 正一 氏
15:00~15:15 ■固体セルロースの高効率な化学変換を可能とする触媒プロセスの開発
宇部興産株式会社 
研究開発本部 基盤技術研究所 要素技術研究G 主席部員 山田 敦士 氏
15:15~15:30 ■セルロース原料から得られるモノマーと新規な機能性高分子の開発
ユニチカ株式会社 
中央研究所 研究開発グループ グループ長 秋月 隆昌 氏
15:30~15:45 ■新規・改良分析手法を応用した樹脂利用用途リグニンの品質管理
国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所 
主任研究員 池田 努 氏
15:45~16:00 ■リグニンを用いたフェノール樹脂の高性能化と工業用樹脂への展開検討
住友ベークライト株式会社 
HPP技術開発研究所 部長研究員 郷 義幸 氏
16:00~16:10 ■リグニンを原料とした難燃硬質フォームの開発
三井化学SKCポリウレタン株式会社 
袖ケ浦研究所 副所長 林 修巳 氏
16:10~16:20 休憩
16:20~16:35 ■木質バイオマスからの糖製造技術開発
東レ株式会社 
リサーチフェロー 先端融合研究所 研究主幹 山田 勝成 氏
16:35~16:50 ■木質バイオマスからデオキシシロイノソースを経由した電気・電子部品向け接着材料の製造技術開発
三井化学株式会社 
合成化学品研究所 バイオ技術戦略チームリーダー 和田 光史 氏
16:50~17:05 ■糖からポリカーボネート樹脂原料を製造する技術の開発と木質バイオマス由来糖への適用
三菱ケミカル株式会社 
横浜研究所 主任研究員 辻 秀人 氏
17:05~17:10 ■閉会挨拶
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
材料・ナノテクノロジー部 統括主幹 杉江 渉 氏

※プログラムは予告なく変更する場合がございます。予めご了承ください。

講演概要

■バイオエコノミー実現のためのバイオマスのリファイナリー技術:化石資源脱却のためのリアルな物質変換の重要性
東京大学大学院 農学生命科学研究科 准教授 / 
VTTフィンランド技術研究センター 客員教授 五十嵐 圭日子 氏

【略歴

1999年 東京大学 大学院農学生命科学研究科博士課程修了 博士(農学)
1998~1999年 学術振興会特別研究員(DC)
米国ジョージア大学生化学分子生物学科 派遣研究員(7ヵ月間)
1999~2002年 学術振興会特別研究員(PD)
スウェーデン国ウプサラ大学バイオメディカルセンター 博士研究員(1年間)
2002年 東京大学大学院農学生命科学研究科 助手
2007年 東京大学大学院農学生命科学研究科 助教
2009年 東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授
現在に至る
2014年?2016年 独立行政法人大学入試センター教科科目(生物)第一委員会
2016年より VTTフィンランド技術研究センター客員教授(併任)
2017年より 文部科学省研究振興局学術調査官(併任)
2018年より 新エネルギー・産業技術総合開発機構技術戦略研究センター(NEDO-TSC)フェロー(併任)

【講演概要】

「バイオエコノミー」とは、生物圏に負荷をかけない経済活動として近年盛んに議論されている概念である。特にバイオマスの利用は、化石資源を持たない我が国において持続的開発目標(SDGs)への貢献や、バイオエコノミー実現のためには重要なアプローチであるが、日本では相変わらず研究のフェーズを超えていない感が強い。本講演ではバイオエコノミーに乗らなかった場合私たちにどのような影響があるのか、バイオマスのリファイナリー技術はどう地球環境に貢献できるのかを俯瞰したい。


■製紙/化学連携による木質バイオマスからの化学品一貫製造技術の開発概要

NEDO プロジェクトリーダー / 
京都大学 教授 前 一廣 氏

【略歴

1980年 京都大学工学部化学工学科卒
1982年 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻修士課程修了
1982年 (株)神戸製鋼所入社、化学技術研究所研究員
1986年 京都大学工学部助手
1992年 京都大学論文博士(工学)学位取得
1994年 京都大学工学部助教授
2001年 京都大学工学研究科教授(化学工学専攻)
現在に至る
2008年~2011年 京都大学教育研究評議員
2014年~2016年 (公社)化学工学会会長)

【講演概要】

バイオマスからの化学品製造は、欧米でも単発的に開発されつつあるが、安定供給、製品価格などの課題を抱えている。これを克服するために、NEDOでは2013年度から製紙/化学企業群の業界を横断した連携により、バイオマスから石油化学由来品に競合できる化学品を製造する一貫プロセスの開発という、世界でも前例のないプロジェクトを実施している。ここでは、その概要を紹介するとともに、成果に基づいて製紙/化学連携のバイオマスコンビナートの有効性を考察する。


■化学品製造に向けた木質バイオマスの成分分離技術の開発
日本製紙株式会社 基盤技術研究所 主席研究員 宮脇 正一 氏

【講演概要】
成分分離技術として現行製紙用のクラフト蒸解ではなく、ソーダ蒸解を選定した理由、蒸解で得られた黒液(リグニン、有機酸、ソーダ塩から成る黒色のアルカリ水溶液)からリグニンを分別、固形化する方法、ベンチスケールで製造した未漂白パルプ(主成分はセルロース、ヘミセルロース、数%のリグニンを含む茶褐色の植物繊維)、リグニンの品質について述べる。

■固体セルロースの高効率な化学変換を可能とする触媒プロセスの開発
宇部興産株式会社 研究開発本部 基盤技術研究所 要素技術研究G 主席部員 山田 敦士 氏

【講演概要】
コストと供給量の観点から、化石資源の代替原料として木質バイオマスのセルロースに着目した。エンプラモノマーに誘導可能なγ-バレロラクトン(GVL)を中間体とする化学品製造プロセスを検討し、ラボスケールではあるが、市場流通のセルロース原料を世界トップレベルの収率でGVLに変換するプロセスを開発した。本報告では、特に高効率変換に重要な触媒開発の面から検討成果について述べる。

■セルロース原料から得られるモノマーと新規な機能性高分子の開発
ユニチカ株式会社 中央研究所 研究開発グループ グループ長 秋月 隆昌 氏

【講演概要】
木質バイオマスを工業的に有用な化学製品へ変換することは、資源の有効活用や多様性の観点から重要である。当社では、木質チップから成分分離することで得られたセルロースを原料として、水熱反応や官能基変換によるモノマー合成、そして新たな機能性ポリマーの開発をおこなっている。本報告では、その取り組みの一部について述べる。

■新規・改良分析手法を応用した樹脂利用用途リグニンの品質管理
国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所 主任研究員 池田 努 氏

【講演概要】
リグニンは化学構造が極めて多様な天然高分子化合物であり、樹種あるいは樹木の部位ごとにリグニンの化学構造に差があることが知られている。この多様な素材であるリグニンを均一性が求められる工業原料として利用するためには、リグニンの多様性を管理・制御するための技術が必須である。本報告では、新規および改良分析手法を用いた、樹脂利用において必要とされるリグニンの品質管理技術について述べる。

■リグニンを用いたフェノール樹脂の高性能化と工業用樹脂への展開検討
住友ベークライト株式会社 HPP技術開発研究所 部長研究員 郷 義幸 氏

【講演概要】
木質バイオマス由来リグニンのフェノール樹脂構造中への導入および得られたリグニン変性フェノール樹脂の成形材料への展開を検討している。リグニン構造を導入したフェノール樹脂成形材料では、従来の100%石油由来フェノール樹脂成形材料に対して成形性や耐熱物性を損なうことなく、機械物性を向上できる見通しが得られた。リグニン変性フェノール樹脂の検討概況と今後の展望・課題について述べる。

■リグニンを原料とした難燃硬質フォームの開発
三井化学SKCポリウレタン株式会社 袖ケ浦研究所 副所長 林 修巳 氏

【講演概要】
不燃、準不燃適合で高断熱性能をもった硬質ポリイソシアヌレートフォームは、住宅等建築物の省エネ、ゼロエネルギーエミッション化のキー材料の一つと考えられる。リグニンを原料の一部として使用し温室効果の低いノンフロン発泡剤を用い不燃、準不燃適合した硬質イソシアヌレートフォームを目標に、リグニン含有原料開発およびそれを使用したフォームの開発状況について述べる。

■木質バイオマスからの糖製造技術開発
東レ株式会社 リサーチフェロー 先端融合研究所 研究主幹 山田 勝成 氏

【講演概要】
木質バイオマスからの糖製造においては、糖液の品質が悪い、使用する酵素費が高いという課題がある。当社では、これら課題を解決する高分子分離膜を用いた膜利用バイオプロセス("RONUMIC" technology)の研究開発をしている。本プロジェクトでは、木質チップを原料として、化学品製造が可能な糖液の製造技術の開発を実施した。また、高付加価値なオリゴ糖を併産するプロセスについても検討を行っている。

■木質バイオマスからデオキシシロイノソースを経由した電気・電子部品向け接着材料の製造技術開発
三井化学株式会社 合成化学品研究所 バイオ技術戦略チームリーダー 和田 光史 氏

【講演概要】
ユーカリチップ由来の糖を原料として、組換え大腸菌を用いた発酵によりデオキシシロイノソース(DOI)を生産し、DOIから化学変換によって1,2,4-トリヒドロキシベンゼン(THB)を経由して1,2,4-トリスグリシジルオキシベンゼン(TGB)を生産するための実用化技術の確立を目指している。TGBは「超低粘度」という特筆すべき物性を持ち、電気・電子部品向け接着材料用途として有望である。

■糖からポリカーボネート樹脂原料を製造する技術の開発と木質バイオマス由来糖への適用
三菱ケミカル株式会社 横浜研究所 主任研究員 辻 秀人 氏

【講演概要】
糖から誘導可能なジオール化合物であるイソソルビドは、バイオマス由来のポリマー、特にポリカーボネートの原料として有望である。我々は、本PJにおいてイソソルビドを高い効率で得るための化学的変換技術の開発に取り組み、触媒反応と溶媒への抽出を組み合わせたユニークなイソソルビド合成法を開発した。本報告ではその内容とともに木質バイオマス由来の糖への適用について述べる。

主催/共催
モノづくり日本会議 / 日刊工業新聞社
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
会場
トラストシティ・カンファレンス・丸の内
東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館11階 TEL:03-6212-5211
http://www.tcc-kaigishitsu.com/tcc-m/access.html
参加費
無料
定員
200名 ※定員に達し次第締め切らせていただきます。
お問合せ先
日刊工業新聞社 「モノづくり日本会議事務局」
TEL :03-5644-7608
FAX :03-5644-7209
住所 :〒103-8548 東京都中央区日本橋小網町14-1(住生日本橋小網町ビル 3F)
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