モノづくり推進シンポジウム「対応迫られるTNFD」

その他
開催日時
2023年8月4日 14:00
開催場所
ハイブリッド開催
【開催趣旨】
「対応せまられるTNFD」と題してTNFD開示に備えた最新動向と分析・開示の進め方、ESG経営への戦略思考を主なテーマとして、シンポジウムを開催いたします。TNFDは自然資本関連の財務情報開示フレームワーク、いわば“自然版TCFD”と位置付けられ企業の経済活動と自然資本・生物多様性との関係性、関連リスクに焦点を当てた国際的な情報開示の枠組みです。本年9月にフレームワークが発行される予定でありTCFD同様に、上場企業への義務付けも想定されます。投資家に対する情報開示の1つとして今後、資金調達や社会的評価、持続的経営において排除できないものとなります。そこで本企画はTNFDについて見識のある有識者に基調講演を頂いた後に、先進的な取り組みを行う企業の立場からもご講演頂きシンポジウムを開催いたします。
【開催概要】
日 時:2023年8月4日(金)14:00~17:00
参加費:無料
主 催:モノづくり日本会議 産業環境管理協会 グリーンフォーラム
アーカイブ配信:なし
講演資料配布:なし

■オンラインでご参加の方 (定員:200名)
視聴方法:Zoom
  ------------------------------
  お申込みは ≫こちら≪
  ------------------------------
※お申し込み期限:セミナー終了まで
※完了後、ご登録いただいたメールアドレスに『no-reply@zoom.us』より登録確認メールが配信されます。
 上記ドメインからのメールを受け取れるよう、受信設定のご変更をお願いします。

■当日会場にお越しの方 (モノづくり日本会議 協賛会員企業様・グリーンフォーラム会員様限定)
場所:日刊工業新聞社 セミナールーム
   東京都中央区日本橋小網町14-1 住生日本橋小網町ビルB1階
地 図  https://corp.nikkan.co.jp/p/company/map/index
参加証:参加登録された皆さまには、参加証を送付いたします。
  ------------------------------
  お申込みは ≫こちら≪ 
  ------------------------------
※お申し込み期限:2023年8月3日(木)13:00まで
※申し込みが一定人数を超えた場合、期限前に締め切ることもございます。


【プログラム】
▶14:00~14:25 環境政策について
「TNFDを含む最近の動向と環境政策」ネイチャーポジティブ経済の実現に向けて
[講演内容]
近年、ビジネスにおける生物多様性の主流化が進んでいます。2022年12月には、2030年までの世界目標として、昆明・モントリオール生物多様性枠組が採択され、2023年3月には、日本としての国家戦略が決定されました。また、4月にはG7ネイチャーポジティブ経済アライアンスが日本主導で設立され、いよいよ企業自身も大きく前進する環境が整ったところです。国内外では、自然情報開示に関する新たな枠組であるTNFDが、今年の9月に最終ドラフトの公開を予定しています。環境省では、これら国内外の動向に、企業の皆さんがタイムリーに対応できるように、企業の取り組みを後押しするための各種政策を推進しています。ここではその一端として下記項目をご紹介します。
・最近のビジネスと生物多様性の国内外の動向
・自然に関する財務情報開示を進めるTNFDと環境省の取組
・ネイチャーポジティブ経済の推進の重要性
[講師]
cvniwz32v82rb76r2npv-0e341891.jpg
環境省 自然環境局 自然環境計画課 生物多様性主流化室
室長補佐 朽網 道徳 氏

[プロフィール]
(株)富士通研究所にて、環境材料、環境技術、環境影響の定量評価技術等の研究開発に従事。その後、富士通株式会社にて、環境企画、環境経営、環境ビジョン・行動計画の策定、環境技術の開発促進に従事。2019年から環境省生物多様性主流化室にて、ビジネスにおける生物多様性の主流化や定量評価・情報開示に関する政策立案、普及啓発、CBD・G7国際交渉などに従事。また、これまでにグリーンIT推進協議会調査分析委員会、WBCSD SMP2.0プロジェクト、ISO TC268SC1(サステナブル・コミュニティ)等にも参加。工学博士(東北大学)。

▶14:25~15:05 基調講演
ネイチャーポジティブ時代が目指す新しい経済 〜TNFDの背景にある考えを探る〜
[講演内容]
日本企業のTNFDへの関心が急速に高まっています。担当者の関心は、TNFDがどのような情報の開示を求めているのか、そのためにどのようなデータを収集したらよいのかということに集中しているようですが、TNFDが求めているのは単に現状を開示することではありません。TNFDの背景にあるのは、自然をもっと増やし、その中で本質的に持続可能な経済を構築しようというネイチャーポジティブの壮大な考えです。したがって、その意図をしっかり汲み取った上で、自社の事業が自然に与えている影響を把握し、それをどう変えていくかを考え、実行することが求められているのです。もちろんこれは経営レベルが応えるべき課題です。
ネイチャーポジティブな経済への移行が世界的に求められるこれからの時代に、TNFDを生かしながらどのような企業像が求められているかをお話しいたします。
[講師]
g63wngozrc3ymo7f2wdr-1148b656.jpg
株式会社レスポンスアビリティ 代表取締役 足立 直樹 氏
[プロフィール]
東京大学理学部卒業、同大学院修了、博士(理学)。国立環境研究所、マレーシア森林研究所(FRIM)で基礎研究に従事した後、2002年に独立。一般社団法人 企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)理事・事務局長、一般社団法人 日本エシカル推進協議会(JEI)理事・副会長、サステナブル・ブランド ジャパン サステナビリティ・プロデューサー等も務める。生物多様性の専門性を活かした持続可能なサプライチェーンの構築をはじめ、サステナビリティ経営の実践や、サステナビリティを軸に企業価値を高めるブランディングを支援している。環境省をはじめとする行政の委員も多く務める。

▶15:05~15:35 特別講演
TNFD開発の最新状況 Nature-Positive経営へ移行するためのツール

[講演内容]
日本は、他地域に比較しても、TNFDへの関心が高い国です。
しかし、TCFD開示の経験があるがゆえに、いつまでに開示の準備をすすめなければならないのかという視点での興味関心が高いように感じます。
現在は、TCFDでいえば、まだ、2017年に最終提言が出る前の段階です。皆さんは、2017年に気候関連財務情報分析がどこまでできていたでしょうか。また、その後5年間でどこまで脱炭素への移行がすすんだでしょうか。
TNFDが期待するのは、事業会社が自然に対してネガティブなビジネスモデルをポジティブなものに移行させていくことであり、そうした移行を経営戦略として位置付けた会社に金融セクターが優先的に投融資を行う世界の実現です。
TNFDは、サステナビリティ部門が、調達や研究開発などの事業部門をまきこんで分析を行い、経営層がネイチャーポジティブへの移行と資源配分を意思決定し、その結果を投資家などのステークホルダーに開示し、対話を諮っていくための、世界共通のものさしです。
[講師]
362uogcta9kd9728dpvi-996e2f3b.jpg
MS&ADインシュアランスグループホールディングス TNFD専任SVP/MS&ADインターリスク総研フェロー 原口 真 氏
[プロフィール]
2000年からビジネスと生物多様性に関する調査・分析、コンサルティングを展開。
2021年6月に設立されたTNFDタスクフォースのメンバーに選定され、2023年9月の最終提言に向けて、開発作業と国内での啓発活動に注力している。
【委員等】環境省・次期生物多様性国家戦略研究会委員、一般社団法人いきもの共生事業推進協議会(ABINC)副会長、など多数。

▶15:35~16:00 企業講演
キリンの自然資本をめぐる取組み

[講演内容]
キリングループは、自然の恵みを活用して事業をしている企業であり、自然資本が持続的であることが企業の持続性に直結しています。そのため、2010年という早い段階から自然資本に取り組んでいます。TNFDという開示フレームワークを活用して、これまでの取り組みをとらえ、深化させているのかについて、以下のポイントを踏まえてお話いたします。
・良い開示フレームワークに対応することで環境経営レベルを上げてきた過去の経緯
・TCFDで統合的アプローチのレベルは上がったが、気候変動からしか論じることができないジレンマ
・TNFDは、自然資本の特性から開示できる点
・TCFDとTNFD双方があることで、キリンの統合的アプローチを進めるためのピースが整ったと考える点
[講師]
heaav4gsfay2p6m32thz-9e434f15.jpg
キリンホールディングス株式会社 CSV戦略部 小此木  陽子 氏
[プロフィール]
2021年から現職。自然環境学や生態学を専門とし、入社後はキリングループの原材料である生物資源の持続可能性に向けて取り組んでいる。TNFDや自然資本の科学的な目標設定であるSBTs for Nature、自然資本をめぐる国際的なルールメイキングにも取り組むことで、持続的な自然資本の利用の主流化やポジティブインパクトの創出も目指す。

▶16:00~16:25 企業講演
花王の生物多様性への取組み

[講演内容]
花王は創業当初より、事業活動を通して社会のサステナビリティに貢献することを使命としてきました。生物多様性についても『よきモノづくり』を通して様々な取り組みを行っています。そんな花王の活動事例を紹介いたします。
また、TNFDの枠組みに従ってビジネスへのリスクと機会を明らかにすべく、LEAPフレームワークに則り整理・検討を進めています。その中からシナリオ分析等のトピックスを紹介いたします。
[講師]
ahh5tx7adtk334s5f5oi-c6087c5e.png
花王株式会社 ESG活動推進部長 高橋 正勝 氏
[プロフィール]
1966年 大阪府生まれ。1991年 大阪市立大学大学院理学研究科を修了し、花王株式会社入社。素材開発研究所、マテリアルサイエンス研究所で主に界面活性剤の開発に従事する。この間、触媒空気酸化反応技術を導入する為に大阪大学基礎工学部へ2年間留学し界面活性剤の新規製造に応用する。2015年欧州花王化学研究所に異動。同研究所長を経て2020年9月にESG活動推進部に異動し、2021年1月から現職。環境分野全般や人権など幅広くESG活動の推進に力を注いでいる。

▶16:25~16:50 企業講演
SMBCグループの取組とTNFD対応に向けた課題と期待 金融機関の視点から
[講演内容]
SMBCグループは、「環境」を取り組むべき重点課題(マテリアリティ)の一つに定め、気候変動への対応などに取り組んできました。本年4月には重点課題を見直し、新しく「自然資本の保全・回復への貢献」を「環境」のゴールとし、さらに自然資本・生物多様性への取組を進めていきます。同月、その一環として、自然資本に関する弊社の考え方を示す「SMBCグループ 2023 TNFDレポート」を公表しました。
この講演では、レポートの概要と弊社の取組を紹介したうえで、今後自然に関する情報開示とビジネスを高度化するうえでの課題と方向性について説明します。加えて、金融機関の視点で、お客様にお願いしたいことやお客様の価値創造に向けたポイントなどにも触れていきます。
ubs85eongu62mggdzvhc-f185e3f3.jpg
[講師]
三井住友フィナンシャルグループ サステナビリティ企画部 上席推進役 
シニア・サステナビリティ・エキスパート 島 健治 氏

[プロフィール]
1993年東京大学工学部都市工学科卒。プラントエンジニアリング企業で排水処理プラント設計などに従事したのち、2008年に三井住友銀行に入社。プロジェクトファイナンスの環境社会リスク評価を長く携わり、現在はサステナビリティ関連の規制・動向の調査を担当。主な関心はESG情報開示、ビジネスと人権、自然資本・生物多様性など。

▶16:50~17:00
質疑応答



 

プロフィール

カテゴリー

Top

読み込み中です